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健康格差対策事例集

WHO(世界保健機関)は、2010年にアデレードで開催された「全ての政策において健康を考慮することに関する国際会議」において、健康格差をもたらす健康の社会的決定要因(social determinants of health, SDH)への対策として、全ての政策における健康(Health in All Policies, HiAP)へのアプローチが必要であると声明(アデレード声明)を発表しています。その参考として健康格差対策の事例をご紹介します。
 

子どもへの支援的環境の整備

幼児教育への投資
JAGESの研究:子ども期の社会経済環境の高齢期への影響
 

OECDレポート「所得格差は経済成長を損なう」「格差縮小に向けて」


「『小1で大学断念』を変えるため総力挙げる沖縄の人々」


英国で富裕層と貧困層間の平均余命が縮小: King’s Fundからの報告

2015年8月11日に公表された英国King’s Fundの報告書”Inequalities in life expectancy -Changes over time and implications for policy”によると、1999-2003年には上位10%の富裕層と下位10%の貧困層間の平均余命の差は6.9年でしたが、2006-2010年には4.4年と差が2.5年縮小しました。この縮小が顕著に見られたのはかつて収入の剥奪(社会的な不利の)レベルが最も高かった地域でした。
背景要因として、1990年代から2010年まで労働党政権下で保健省が健康の格差縮小のために地域、特に平均余命の低い地域をターゲットにして、その地域のNHS(国民保健サービス)をサポートし、糖尿病や高コレステロール血症に対する治療を推進してきたことが挙げられます。また、平均余命に関われるとされるマクロレベルの要因として、例えば高齢者層の貧困の改善、失業率の抑制、住宅特に公的住宅の状況の改善も同時に見られ、これらが平均余命格差縮小の要因ではないかとされています。
2008年以降の経済危機に伴う景気の悪化や、それに対する政策が富めるものと貧しい者の平均余命の差にどのような影響を与えたのか、今後見ていく必要があるとしています。

料金滞納者に対する電気などライフライン供給差し止め規制

2012年冬の札幌姉妹死亡事件(姉が病死、障害を持つ妹が電気差し止めにより凍死)や、さいたま市での一家3人死亡事件(餓死・凍死を含むとされる)がありました。公共事業であるライフラインが差し止められたことにより生命危機がもたらされた事例です。公共事業が負うべき責任があると、米国ウィスコンシン州では料金滞納者に対するライフライン供給差し止めを規制する法律が1974年から制定されています。
 

「新しい健康日本21へのヒント」(保健師ジャーナル)

日本中の各自治体で行われている事例を、関係者の声から拾い上げた事例集が保健師ジャーナルで特集されています。地域住民や関係機関とどのように関係性を構築し、疾病予防や介護予防の結果を導いたのか、現場レベルでの様々なコツや新しいアイディアに満ちています。コメンテーターとして、2013年はJAGESコアメンバーの浜松医科大学公衆衛生学 尾島俊之 教授、2014年と2015年はJAGES代表の千葉大学 近藤克則 教授が各事例に対して考察を加えています。

2015年
  • 4月号「介護予防による地域づくりに地域診断システムを活用 島根県における市町村支援の取り組み」保健師ジャーナル 71(04): 334-339.
  • 6月号 (通常号) ( Vol.71 No.6)「特集 健康日本21(第2次)の初期評価」健康日本21(第2次)では、「健康の社会的決定要因への対策」として、健康格差の縮小、ソーシャル・キャピタルの向上など、さまざまな社会環境の整備を展開していく必要性が示されました。本号では、3年目を迎えた健康日本21の現状での課題を整理し、今後への展望について,さまざまな視点から述べていただきます。
尾島俊之:健康日本21(第2次)の推進による健康寿命の延伸
近藤克則:健康格差対策のための7原則
近藤尚己:健康格差の評価・測定とその活用 熊本県御船町での取り組み事例より
稲葉陽二:ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)で地域の特性を探る

2014年
  • 12月号「市民『健康づくりサポーター』との協働で進めるお口の健康づくり 神奈川県藤沢市における取り組み」保健師ジャーナル 70(12): 1092-1097.
  • 10月号「地域で生きいき暮らすための高齢者の健康保持活動の推進『たすけあい名古屋』の活動」保健師ジャーナル 70(10): 896-903.
  • 9月号「地域診断を起点とした地域住民や関係機関との協働のまちづくり 介護予防Webアトラスを活用した松浦市の試み.」保健師ジャーナル 70(9): 812-816
  • 8月号「官民協働『医療と介護の連携のカタチ』DVD制作プロジェクト 豊橋市における社会環境の質に着目した創発.」保健師ジャーナル 70(8): 710-717
  • 6月号「介護予防運動教室とウオーキング教室を契機としたソーシャル・キャピタル形成 市民の行動変容が行政を動かし、まちづくりにつながる」保健師ジャーナル 70(6): 514-521.

地域診断を起点とした地域住民や関係機関との協働のまちづくり

 

健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドラインの策定について(平成26年8月1日)

都市政策において、健康・医療・福祉の視点から必要な事業や施策へと大きく舵を切っていくために、「健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン」が策定されました。この中でJAGESの成果が紹介されています。



おいしく食べて疾病予防


企業による加工食品における減塩の事例


ニューヨーク市における健康に配慮のある都市計画

ーー巧みな都市計画は、人々の健康に良い影響をもたらす優れた機会を提供します。ニューヨーク市は、健康に配慮のある都市計画を成功裏に実施し、また、その戦略と教訓を広く共有するために事業成果の記録を成し遂げた世界有数の都市です。ーー

ニューヨーク市のBloomberg市長が導入 Food Retail Expansion to Support Health (FRESH)

米国ニューヨーク市が、生鮮食料の入手が難しい貧困地域に限定して、生鮮食料品を置く売り場面積などの条件を満たして出店するスーパーに経済的なインセンティブをつけるプログラム「FRESH」を導入しています。

ニューヨークタイムズの記事(2009年9月23日)
ニューヨークタイムズの記事によると、西海岸では、学校でのsugary drinksの販売禁止や、貧困地帯へのfast-foodの出店規制も行われているようです。
A Plan to Add Supermarkets to Poor Areas, With Healthy Results

ヨーロッパの都市における健康格差縮小対策(政策・プログラム)のレビュー


ロンドンの自転車シェアリングに健康効果 若年者では事故によるリスク高い

ロンドンでは2010年に自転車を共同利用するシェアリングシステムが導入され、新たな都市公共交通機関の選択肢として市民の間に浸透しつつあります。同システムの導入による利用者の健康への影響を検討した英・University of Cambridge School of Clinical MedicineのJames Woodcock氏らは「事故による傷害リスクを勘案しても,全般的に健康への好ましい影響が認められました。ただし、若年者ではリスクがベネフィットを上回る可能性もある」と BMJ(2014; 348: g425)に報告しました。

アルコール飲料の最低価格設定 低所得の有害飲酒者で効果顕著

英政府はアルコール飲料の最低価格制度をイングランドとウェールズに導入するとしていましたが、最低価格設定には効果のエビデンスが不足している他、節度のある多数の飲酒者に不公平となる、低所得者層の飲酒者に大きな経済的負担がかかることなどを理由に導入は見送られました。英・University of SheffieldのJohn Holmes氏らは、英国で最低価格が設定された場合の影響を異なるサブグループ間で評価するモデル化研究を実施しました。シェフィールドアルコール政策モデル(SAPM)バージョン2.6を用いた政策評価の結果、同政策導入により最大の行動変化が見られたのは低所得層の有害飲酒者群であったとLancet(2014年2月10日オンライン版)に発表しました。
 
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