健康とくらしの調査では3つのうつ指標があります
【3つの指標の考え方】
①国の介護予防・日常生活圏域ニーズ調査(ニーズ調査)の項目(2項目中2項目該当)
・①の項目は、国が示すニーズ調査の項目のため、ニーズ調査の拡張版としての位置づけとして実施されている健康とくらしの調査には含める必要があります。
・しかし、指標の妥当性という点においては、これからの課題となります。
②基本チェックリストの項目(5項目中2項目以上該当)
・②の項目は、指標の妥当性検証は進めており、①と比較すると、ご存知のように日本国内では広く使用されている項目です。
・①の項目よりは、設問数も多い(5項目でうつをスクリーニングする)ので、よりうつを捉えられる可能性があります。
③高齢者用うつ尺度(15項目版)(15項目中5項目以上該当)
・③の項目は、世界的にも広く使用されており、多くの研究者は③の項目を使用して分析等を行います。
・③の項目を用いて地域診断書の検証をしたJAGES論文もあり、①~③の中では、設問数も15項目と多く、うつをスクリーニングする尺度ととしては妥当性が最も高いと考えられます。
・一方で、項目数が多いということは、回答者への負担も大きいため、②(または①)をもちいて簡便にうつをスクリーニングするなどが必要でもあります。
【地域診断書(コア指標)に3つのうつ指標が含まれている理由】
①うつ割合(ニーズ調査)は、国のニーズ調査項目のため、国の拡張版としての位置づけである健康とくらしの調査では、地域診断書に含めることが必要であると判断しました。
②うつ割合(基本チェックリスト)については、第6期事業計画策定のためのニーズ調査までは①はなく、②うつ割合(基本チェックリスト)で、ニーズ調査を実施していたため、2010年・2013年・2016年と健康とくらしに参加する市町村においては、経年変化をみれる指標として地域診断書に含める必要がありました。
上記の理由により地域診断書のコア指標に3つのうつ指標が含まれている理由となります。
ただ、複数の似たような指標が入っていることへのわかりにくさもありますので、2019年調査にむけて、市町村担当者の皆様のご意見伺いながら改善していきたいと思います。