| ▼データ提供をする目的・理由について厚生労働省は,地域包括ケアシステムの構築に向けて,国民・地方自治体にとって有益な情報を利活用しやすいように,介護・医療関連情報の「見える化」を推進しています.このため,日常生活圏域ニーズ調査(以下,ニーズ調査)などのデータ提出を保険者に求めています. 厚生労働省の「見える化」事業が介護保険政策に有用なものとなるためには,科学的な根拠に基づく指標づくりが必要です.今回データ提供をお願いしている大学等から成る研究班は,今までにJAGES(日本老年学的評価研究)プロジェクトによる介護予防の科学的な根拠を発表し,その成果を踏まえて提案した追加項目が第6・7期ニーズ調査に採用され,厚生労働省の『地域包括ケア「見える化」システム』のひな形になった介護予防Webアトラスを開発した実績を持っています. 一方,厚生労働省が保険者から行政目的で収集したデータを,第三者である研究班が研究目的で厚生労働省から提供を受けることができません.このため,保険者の地域診断をお手伝いしつつ,それぞれの保険者と研究協定を結んだ上で,研究に必要なデータの提供をお願いしています.また,集められたデータを使って,「見える化」すべき指標の検討や科学的な根拠づくりに活用させていただきます.厚生労働省に提供したのと同じニーズ調査のデータを,保険者から研究班にもご提供いただくようお願いします. |
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『地域包括ケア「見える化」システム』では,保険者間で指標を比較する予定ですが,そこで用いられる指標には,要介護リスク・要介護認定率との関連性が高いことや指標としての正確性など,いくつもの条件を満たしていることが必要です.今回のデータ提供のお願いの目的は,厚生労働省による『地域包括ケア「見える化」システム』への市町村間比較機能の追加に向けて,研究するデータを確保することにあります.データ提供いただける保険者については,市町村間や市町村内で比較した地域診断結果をお返ししますので,第7期事業計画策定に活用していただけます. |
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ニーズ調査の実施および地域診断書の作成においては,個人特定は不要です.ただ,将来的に必要とされる介護予防事業の効果の検証には,介護予防事業に参加した人と参加しなかった人を追跡して,要介護認定割合を比較することが必要です.ご提供いただくデータには、介護保険被保険者番号をマスキング(暗号化)してデータをご提供いだく必要があります。 |
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▼前回(第6期)との違いについて「データ提供作業」につきまして,事務局の示す仕様(詳細は標準仕様書をご参照ください)に沿ってデータの質の管理を行っていただく点が,前回とは異なる点となります.
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可能ですが,何を実施し,何を実施していないかを後で報告していただけますと幸いです.仕様書を守ったケースとそうでないケースとで,データの質に違いが見られるかを後で検証します. (標準仕様書) |
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▼調査対象について厚生労働省の「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査実施の手引き(以下,ニーズ調査実施の手引き)」にある通り,「要介護認定を受けていない高齢者(一般高齢者,介護予防・日常生活支援総合事業対象者,要支援者)」を分析対象者とします. (参考)介護予防・日常生活圏域ニーズ調査実施の手引き |
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他の保険者と比較するためには,同じ方法で対象者を選ぶことがとても重要です.今回は,高齢者の全数または無作為抽出で対象者を選択した保険者間で比較します.したがって,対象者が5歳刻みの場合,他の保険者との比較(ベンチマーク)による地域診断はできません. |
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▼小地域の選択と対象者数について保険者によって,関連する総合計画や地域福祉計画などとの整合などの面から,最適なレベルは異なると思われます.したがって,どのレベルであっても構いません.各保険者につき,いずれか一つのレベルを設定し,全対象者がどの小地域に暮らしているのかを識別できる日常生活圏域コード・日常生活圏域名称をつけてください.これらは,プロジェクトにご参加いただける保険者に配付するエクセル資料で,入力していただきます.入力していただいた日常生活圏域コードで識別できる小地域間毎に集計した地域診断書をお返しします.追加費用をご負担いただければ,2つ以上のレベルで集計は可能です.個別に,お問い合わせ下さい.
詳細は、標準仕様書.pdfをご参照ください. |
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分析対象者数が少ない場合,一人の違いの影響が大きく出ます.例えば,ある小地域の回答者が10人であった場合,一人の回答が異なるだけで10%ポイントの違いになります.そのため,一つの小地域当たりの分析対象者数が50人以下になった場合,保険者の数値算出には参入しますが,小地域間での比較では,その小地域の数字は参考値に留め,その小地域の値は空白または参考値であることがわかるように表示する予定です.前・後期高齢者別に結果を表示しますので,後期高齢者で50人以上になるように調査対象者数を確保されることをお勧めします.ただし,人口が少ない町村では,全高齢者を対象にしていれば,それで構いません. |
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誤差の大きな(サンプル数が少ない)所を表示することで,全体の傾向を読み誤らないようにするため,空欄にするか,参考値として示すか,どちらにすべきかデータを分析して検討します.全数を対象にしても人数が少ない場合,誤差は無いことになりますので,そのまま表示するかどうか,このような例外的な対応をすることが,地域診断書やベンチマーク作成用のプログラムで技術的に可能かどうか検討します. |
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回収率が5割,前期:後期高齢者比率が3:2で,要介護認定を受けていない高齢者のみを対象にニーズ調査を実施する保険者の場合,もっとも高齢者人口の少ない小地域において,調査対象者数を300人にすると,150人が回答し(回答率50%),前期高齢者90人,後期高齢者でも60人から回答があり,表示に必要な50人以上の分析対象者数が前期・後期とも得られると見込まれます(実際には,後期高齢者で回答率は下がり,前期・後期の回答者割合は2:1程度になることが多くなります). 高齢者人口が1万人で,5つの小地域がある保険者の場合,単純平均すると1つの小地域当たり2000人になります.この場合,一つの小地域から300人(市町村全体では5地区×300人=1500人)程度を対象にすれば,全ての小地域で後期高齢者でも50人以上を確保できる計算になります.実際には,高齢者人口は一つの小地域あたり1000人,1200人,1800人,2000人,4000人などバラツキがあります.この場合,もっとも高齢者人口が少ない1000人の小地域で300人に送付すると,1000人から300人を選ぶので抽出率は3割になります.市町村全体の高齢者人口1万人から無作為に3割にあたる3000人を無作為抽出して調査対象者にすると,最も少ない小学校区から300人,360人,540人,600人,1200人が選択されることになります. |
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要介護認定を受けている高齢者も含めてニーズ調査を実施する保険者の場合,上記の数に(100-要介護認定率)%を掛けて計算する必要があります.要介護認定者が多く,回答率が低いのは後期高齢者なので,後期高齢者で小地域あたり50人から回答を得ることをめざします. たとえば,回収率が5割,前期:後期高齢者比率が3:2で,後期高齢者の要介護認定率が30%の保険者の場合,もっとも高齢者人口の少ない小地域において調査対象者を400人に設定すると,80人の後期高齢者から回答があり,うち70%が非要介護認定高齢者なので,表示に必要な50人以上の分析対象者数が後期高齢者でも得られると見込まれます. |
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▼調査項目について「ニーズ調査実施の手引き」に示されている調査票に既に含まれています.その中には,今までの研究成果を踏まえて,JAGESプロジェクトが使ってきた質問と互換性のある質問が入っています. 具体的には, p.42 問5.地域での活動について (1)以下のような会・グループ等にどのくらいの頻度で参加していますか p.43 問6.あなたとまわりの人の「たすけあい」についておうかがいします. |
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調査票には,「ニーズ調査実施の手引き」に示されている項目のうち,「必須項目」は必ず入れるようにお願いいたします.「オプション項目」は必要に応じて入れるようにしてください. 必須項目・オプション項目の内容(設問文・選択肢文・選択肢の内容とコードとの対応)については,語尾も含め一切変えないようにお願いいたします. また,項目の並び順についても,順序の影響が考えられるため(例:「どの程度幸せですか」という設問の前にポジティブな設問とネガティブな設問のどちらが来るかで,回答が変わる),「ニーズ調査実施の手引き」に示された順序のままにしていただければと思います. 必須項目・オプション項目とは別に,独自の項目を入れていただく分には問題ございません.データ提出の際には,独自項目は除いた状態での提出をお願いいたします. |
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▼調査方法についてはい.ニーズ調査実施の費用については,保険者側でご負担いただきますが,大学のほうで民間業者を管理しながら,統一的な方法によりニーズ調査を実施し,保険者のデータ提供作業の省力化や,より市町村間比較が行い易い質の高いデータセット作成を行います.また,従来通り,各保険者が調査会社に個別に業務委託する等の形で行うことも可能です. |
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「ニーズ調査実施の手引き」にある通り,他地域との比較の観点から,郵送調査を原則としていただけますようお願いいたします.それ以外の方法(例:訪問調査)で収集したケースについては,提出用データからは削除していただけますようお願いいたします.詳細は標準仕様書をご参照ください. なお,今までの経験では,郵送調査でも,調査票を送付した1週間後に「調査への回答のお礼とお願い」ハガキを送ることで,6割程度の回答率が得られています.ハガキの文案は下記の例をご覧下さい. ≪ハガキ文例≫ 日ごろは,○○市福祉行政にご理解とご協力を賜り,厚く御礼申し上げます.先日,「高齢者ニーズ調査」を送付させていただきました.お忙しい中ご回答をいただいた皆様には,深く感謝申し上げます.この調査結果は,○○市の介護保険事業計画策定の基礎資料や介護予防等の評価研究に役立てさせていただきます.なお,まだご返送いただいていない方で,ご回答いただける方につきましては,誠に恐れ入りますが○月×日(金)までにご投函いただきますようお願い申し上げます. |
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「ニーズ調査実施の手引き」のp.18~22「2.介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の調査方法 (2)調査方法の考え方 ③標本抽出」に無作為抽出の手順が示されております.
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記名式でも構いませんが,無記名の回答が相当数出る可能性が高いと思われます.調査に同封する説明文書の中に,介護予防政策の効果評価という行政目的と基礎資料づくりの学術研究目的で,個人を追跡する旨を明記し,調査票の返送をもって,調査目的と追跡することへの同意と見なすことが広く行われています.調査対象者の被保険者番号と調査票番号との突合表を作成し,どの番号の調査票がどの人に送られたのかが分かるようにします.調査票には番号あるいはバーコードをつけて送付すれば,調査対象者に記名していただかなくても「結合可能な匿名化」をして,個人の追跡が可能となります.詳細は標準仕様書をご参照ください. 個人を追跡するが,個人情報は保護して分析する旨の説明文は下の例をご覧下さい. ≪個人追跡と個人情報保護に関する説明文の例≫今回調査票を提出していただいた方のデータは,匿名化した上で将来の要介護認定状況と結合できる形で管理します.このデータは,介護予防政策の効果評価という行政目的とそのための基礎資料となる学術研究目的以外には使用しません.また,データの統計処理や分析にあたっては,個人情報を削除して個人を特定できない匿名加工情報で行います. |
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総務省の地方公共団体コード + 通し番号(6桁)の12桁としていただけますよう,お願いいたします.詳細は標準仕様書をご参照ください. |
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調査票への回答と追跡して得られる要介護認定状況などの結合は,介護保険者が被保険者番号を用いて行います.研究班には,被保険者番号は暗号化し,氏名・住所などの個人情報を削除したデータをご提供いただきます. 暗号化ソフトは,申し込みフォーム(https://www.jages.net/300bm/form/)からお申し込みいただいた方にお送りさせていただきます.また研究班と市町村・保険者との間で,個人情報保護取扱特記事項を含む研究協定を締結します.研究協定案についても,上記サイトにひな形を掲載します.変更が必要な箇所がある場合は,お問い合わせ下さい
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▼データ提出について調査項目につきましては,「ニーズ調査実施の手引き」に示されている「必須項目」を必ず入れること,「必須項目」の内容・並び順を一切変えないこと,を守っていただければ,特に打合せ等を行う必要はございません.
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▼データ提出のスケジュールについて締め切りは,第1回が2017年1月末,第2回が2017年6月末となります.1月までにデータをいただければ5月に,6月末までにデータをいただければ,8月以降に結果をお返しします.ただし,県で取りまとめる場合などは相談に応じます.
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毎年実施を予定しておりますが,締め切り期日等は決まっておりません.
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▼結果のフィードバックについて中間報告書では,ニーズ調査地域診断指標(Q どの指標をフィードバックしますか?を参照)について,①全年齢高齢者,②前期高齢者,③後期高齢者,④年齢調整済みの4パターンで,その時点までにデータ提供を受けられた全保険者(上限300保険者)の中における各保険者の相対的な位置が分かるようにベンチマークした結果をお返しします.また,ベンチマークした結果を要約した地域診断書もお返しします.ベンチマークした結果と地域診断書のイメージは,コチラ をご覧下さい.地域診断書については,保険者(市町村間比較)と小地域(市町村内比較)の地域診断書をお返しします. 最終報告書では,得られたデータを多面的に分析した中から,他の指標と相関の高い指標などで,まちづくりによる介護予防政策立案に役立つと思われる知見をまとめる予定です.転倒割合とスポーツ組織参加割合など2要因間の関連を示すプロット図なども掲載して,各保険者や各小地域の数値が,全体の中でどの当たりに位置するのかが読み取れるようにする予定です. なお報告書はPDFファイルを送りますので,印刷は各保険者でお願いします.また,報告書には,保険者からの要望が強い項目を掲載予定です.要望がある方は,お聞かせください. |
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介護予防政策サポートサイト から,多くの保険者間で比較(ベンチマーク)した結果を閲覧できるようになっており,2010-11年調査にご協力いただけた31市町村の結果は,介護予防政策サポートサイトからご覧いただけます. 2013調査の結果については,保険者名をアルファベットと数字の組み合わせ等,他者からは特定できないID(例:A5,CH4等)で表示し,担当者には該当IDをお知らせする形で表示しており,今回の調査でも同様に致します.
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データ提出後,3か月を目安に中間報告書を送りします.1月末の1次締め切りの場合は4月末,4月末の2次締め切りの場合は7月末になります.2017年秋には最終報告書のPDFファイルをお送りします. 中間報告書は、HPの「ベンチマーク保険者共同ルーム(要ログイン)」に公開されている地域診断書となります。 最終報告書は、同じく「ベンチマーク保険者共同ルーム」に掲載されている「報告書」となります。 |
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それらについては追加分析となりますので,別途費用が発生いたします.内容によって,数十万円~数百万円かかりますので,個別にご相談ください.
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運動機能低下、1年間の転倒歴、閉じこもり高齢者割合、うつ、残歯数(19本以下)、物忘れ、要介護リスク得点、BMI(18.5未満の人の割合)、スポーツの会に参加の割合、趣味の会参加割合、ボランティアのグループに参加の割合、学習・教養サークルに参加の割合が指標としてフィードバックされます。すべてニーズ調査に含まれている指標です. |
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▼費用負担についてニーズ調査地域診断指標を用いた(Q どの指標をフィードバックしますか?を参照)地域診断書,市町村間比較,市町村内の小地域間比較については,保険者様の負担なしでご提供いたします.これ以外に,より多くの指標のサイトへの掲載,小地域(小学校区や日常生活圏域)の地図の掲載,追加分析,職員や住民対象の研修会やワークショップの開催などをご希望の場合には,その内容によって,数十万円~数百万円かかりますので,個別にご相談ください.
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▼その他「重点対象地域選定シート」は、JAGESのみ作成しています。300BMは今後も作成の予定はいまのところありません。 |
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